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ジャニーズ事務所の「ホモセクハラ」事件とは何だったのか(2) [スキャンダル]

ジャニー喜多川のホモセクハラを記事にした『週刊文春』に対する
訴訟は、一審で文春側が敗訴してしまった。

記事は、ジャニー喜多川の社会的評価を下げたと認定。
一方、「喜多川社長が、事務所に所属する少年タレントに
性的嫌がらせをした」との記載については、少年たちの証言に
曖昧な点があるなどとして真実性・真実相当性は認められなかったとしている。

当時のことを、文藝春秋社法務・広報部は憤慨してこうコメントしている。

「一二~三歳の少年ですよ。それがアークヒルズだったか、
隣の全日空ホテルだったか言えと言われてもね。あの二棟は裏表に
建ってますからね、どっちの建物の部屋かわからないじゃないですか。
地方から出てきているような子供が初めて車で連れて行かれて、
いつの間にかそうした行為をされているわけですから。

裁判官は、彼らが明確に証言できないと、『場所が特定されない、
曖昧である、日時も不確かだ。よってこの証言は信用するに足らない』と言う。

現実的に考えて無茶ですよ。たとえば、平成○年の○月○日に
アークヒルズの一室でこうされた、二度目はここで、三度目は……
なんて憶えていると思いますか。

記憶しておきたくないおぞましいことなんだから。

誰にも語れず、悶々としていたわけですよ、少年たちは。

もちろん、親にも語っていない。傷を早く忘れたいんですよ。
それを、傷跡をひっかくようにして反対尋問される。
それでちゃんと答えられたらむしろ偽証ですよ。
話をあらかじめ作っているとしか思えないということになってしまう。

裁判官が常識から乖離していると思うのは、
現実に被害を受けたのだからその日時も場所も覚えているはずだ、
言えるはずだとする発想。全く馬鹿げている」(『平成の芸能裁判大全』)

文春側は当然控訴した。法定内についたてを立て、
少年たちがセクハラ行為について次々証言した控訴審。
その圧巻は、何よりジャニー喜多川本人の証言だった。

「要するに、みんながファミリーだと言いながら、
そういうふう(筆者注:ホモセクハラ)に考える人もいるわけです。

だから、やっぱり、昨日も申し上げたけど、血のつながりのない
というほどわびしいものはないと」「でも、それはやっぱり、
何らかの事情で自分たちが裏切り行為をしたとか、そういう気持ちの
中で離れていっていると思うんです」
「彼たちはうその証言をしたということを、僕は明確には言い難いです。
はっきり言って」(宝島社『追跡!平成日本タブー大全』の「カリスマの闇」)

ジャニーズ側は、ホモセクハラ行為は「一切ない」と否定してきたが、
それは客観的にそのような行為がなかったといっているのではなく、
たんにジャニー喜多川にとってホモセクハラ行為「と思われる」行為が
「一切ない」ということだった。

「告発した被害者を『裏切り』者と呼ぶとは、いかにも始末の
悪い人物」(「カリスマの闇」で李策)であることは確かだが、
「わびしい」というジャニーの言い分は、おそらく「偽証」ではないと思う。
事の善悪は別として、本人は「少年愛」にどっぷり使っている幸せな人なのだ。

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